「連鶴」は一枚の紙から連なる鶴を折るという「折り紙」の一種。
たった一枚の紙から、連なった数羽から百羽の折り鶴を生み出される「折り紙」のこと。
しかもデザイン的にも優れ、芸術的価値も高いものです。
連鶴を伝承する三重県桑名市
その「連鶴」を今も伝承される地が、三重県の桑名市。
桑名市は「連鶴」を「桑名の千羽鶴」として、市の文化財に指定、折り方や技術は無形文化財に指定し、保護育成を図っています。
まずは「連鶴」の歴史をひもといてみましょう。
伊勢国桑名(現在の三重県桑名市)の長圓寺11世住職の義道一圓(ぎどういちえん、魯縞庵義道/ろこうあんぎどう/1762年〜1834年)は、1797年(寛政9年)、全部で49種の連鶴の作り方が掲載された『秘伝千羽鶴折形(ひでんせんばづるおりかた)』初版を京・吉野屋から刊行しています。
『秘伝千羽鶴折形』(上の写真/復刻版)は一枚の紙から連なる鶴「連鶴」を折る方法として、展開図と完成姿図を記しているもので、連鶴49種類、2羽から最高97羽までが繫がる連鶴の折り方が紹介されています。
現代風にいえばまさしく「連鶴のHOW TO本(折り方解説本)」。
義道は「変化に富んだ鶴を考案する」の決意のもと、18年という歳月をかけて『秘伝千羽鶴折形』を完成させています。
横に繋ぐだけのものから、層に積み上げて折る立体的なものまで、その驚異的な内容に当時も「えーつ!?」と大いに話題になったことでしょう。
それが証拠に、3年後の1800年(寛政12年)には、江戸・京・大坂(現在の大阪)でも再版されています。
この『秘伝千羽鶴折形』は「日本最古の遊び折紙本」といわれ、貴重な連鶴を現代に伝承しているのです。
『秘伝千羽鶴折形』があればこその連鶴ということがまずはおわかりいただけたでしょう。
2014年11月に新たな資料を発見!
さてさて話は、三重県桑名市に戻ります。
2014年11月に長圓寺(長円寺/下の写真)の現住職、長藤神証さんが本堂の書庫を整理したところ、段ボール箱の中に『素雲鶴』や『新撰素雲鶴」と書かれた冊子を発見。『秘伝千羽鶴折形』の原典と推定され、失われたものと考えられてた資料が見つかったのです。
それにより連鶴の制作年代が特定できるだけでなく、新たな図案が発見され、100種類連鶴合計500羽とも58種類連鶴合計1374羽ともいわれる連鶴の世界が広がることが期待されます。
桑名市博物館歴史専門官の大塚由良美(ゆらみ)さんによると、今回見つかった段ボール箱は伊勢湾台風(1959(昭和34)年9月に紀伊半島から東海地方を中心に全国に被害をもたらした)で潮水に浸かり、さらに長年放置されていたため、損傷が激しいとのこと。
現在、桑名市博物館で修復復元作業が行なわれているということです。
修復の経過は桑名市のオフィシャルサイト「連鶴の原典「素雲鶴」復元事業ブログ」で公開しています。
桑名市では「桑名の千羽鶴を広める会」が組織され、熱心な活動が続けられています。
六華苑(大正2年完成の2代目諸戸清六の邸宅と庭園)、桑名市博物館、桑名市民会館などでの「桑名の千羽鶴」の一部が展示されるほか、定期的な講座(連鶴の制作講習など)も行なわれています。
連鶴の制作講習の最初の目標は「一羽の鶴が完全に折れること」(大塚由良美さん)とのこと。
じゃあ、実際に折ってみましょうか。
というわけで、「連鶴にチャレンジ篇」に続く・・・
■取材協力/桑名の千羽鶴を広める会(大塚由良美)
桑名市・三重県東京事務所
桑名市東京PR事務局(ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ)
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