有名店はもちろん、知られざる名店が多い千歳のなかで、今回、とくに印象に残った店は、ハーベストルート途中にある「花茶」(かちゃ)です。
代表である小栗美恵さんは、高知市の出身。大阪万博でご主人と知り合って千歳に嫁ぎ、4代目農家の主婦となりましたが、
平成9年に自家産の野菜やフルーツを活かしたアイスクリーム店「花茶」を開業しました。
花茶の前に立つ小栗さん
都会のスーパーに並ぶ野菜の多くは、地元農協の「共選」というシステムを通して出荷されます。だからこれまで農家の熱意や心意気が直接消費者に届くことは、困難でした。産地直送をうたっても無農薬で葉に虫が付いていればクレームが出るくらいで・・。
「自家産の野菜の美味しさを活かしたアイスクリームをつくろう」
そう思い立った小栗さんは、野菜やフルーツの味を最大限に活かしたアイスクリーム作りに挑戦します。
「ひとことで旬を活かすといっても、同じ畑で栽培するカボチャでも、季節の初めと終わりでは味は大きく違います。その変化をもアイスクリームに活かしています」(小栗さん)
以前に何度か取材して味わったことのある花茶のアイスですが、
あずきを味わってみてガーンと衝撃!
食べるたびに美味しさが増しているのです。
花茶のアイスクリーム。季節によって違いがあるが、写真はかぼちゃ、あずき、ハスカップ
自家産のあずきの味が巧みに活かされ、甘すぎず、爽やかでそれはまさに芸術の域。
「おおっ!」と驚く、取材班の顔を見て、小栗さんは、
「濃厚すぎるアイスは、素材本来の味を損ねてしまいます」
とキッパリ。
農家の奥様が農業を「芸術的に」表現したアイスクリーム、まさにそんな感じなのです。正しくいえば、「試行錯誤の結果、その味は芸術の域にまで昇華」なのかもしれません。
店内にはイタリア製のピッツア窯も設置され、ナポリピッツァ協会のガエターノ・ファツィオ技術指導員の元で修業したという本格派のピッツアも味わえます。
マルゲリータ
北海道の地産地消(愛食運動)に取り組む店として「北のめぐみ愛食レストラン」として認定も受けていますが、そんな(横並びで押しつけの)肩書きが陳腐に思えるほど、内容充実の農家レストランです。
スローフード、アグリツーリズモの本場・イタリアにも負けない、正真正銘のレストランが、千歳にはあります!
アグリツーリズモは、農家に滞在し、自家産の野菜や地域の物産を使った「マンマ(mamma=お母さん)」 の味を楽しむのが目的。
花茶の小栗さんは、まさに「マンマ」そのものなのです。
ちなみに「マンマ」は、北海道弁で「ごはんを食べる」。
加えていえば、北イタリアと千歳はほぼ同緯度。
ハーベストルート(千歳を走る国道337号)は、日本のアグリツーリズモの原点のような地なのです。
結論。
千歳は、産地直送から、産地突入の時代に向かいつつあります。
ぜひ、お出掛けを。
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