2013年02月19日

沖縄・やんばるの森散策(2) 大石林山

沖縄本島の最北端に位置する辺戸岬ですが、そのすぐ南西にあり、若干テーマパーク的な雰囲気をもつのが、大石林山(金剛石林山)です。奇岩巨石が林立するカルスト地形で、標高200m前後の岩山をめぐる4つのコースが設定されていますが、「ソテツ越しのカルスト地形」というのが、いかにも沖縄的。ちなみにこのソテツ群、もともとは食用で植えられたものとか。コースはよく整備されていますが、辺戸岬を望む美ら海展望台などへの道は、若干標高差もあるので、やはり足ごしらえはしっかりと。

大石林山奇観.jpg

大石林山美ら海展望台.jpg

搭状カルストとも呼ばれる一種独特の地形が見られる大石林山。悟空岩(左)や精霊が棲むといわれる御願ガジュマル(右上)、地下水がたまった鍋池(右下)、辺戸岬、与論島を一望する美ら海展望台(下)もあり、沖縄北端の地形や植生がよくわかる


その一方で、近年注目を浴びているのはパワースポットとしての顔。実はこの周辺、琉球国開闢神話の御嶽(ウタキ)、つまり聖地のひとつなのです。琉球最初の歴史書『中山世鑑(ちゅうざんせいかん)』によれば、琉球で最初に作られた御嶽(ウタキ)が、辺戸の安須森(アスムイ、別名・辺戸御嶽)。

ムイとは、本来沖縄方言では盛り上がった地形を意味しますが、ここでは森のことを指していると思われます。神が降臨する場所でもあると考えられていることから、まさに島の北辺の渡(辺戸)にそびえる岩峰に、琉球の創成神・アマミキヨ(アマミク)が降り立ち、まず一番初めにこの安須森(ウタキ)を創り、やがて琉球が成った、という神話の世界が広がっているわけです。

現に、琉球王朝時代、首里王府でも毎年12月と5月の年2回、はるばる当地まで使者を送り、安須森の一峰・アフリ嶽の麓の大川(ウッカー、アフリガー)から聖水(若返りの水)を汲んで王府まで運ぶという「御水取り」の儀礼が行なわれていました。それほど琉球王朝でもその霊力を重要視していたわけです。

ただ、この安須森御嶽(辺戸岳)への入口は目立たない場所にあり、山頂へは20分ほどで到達可能ですが、急登で鎖やロープを伝い、足場もかなり悪いので注意が必要。また山全体が霊山という自然崇拝なので、できれば知識をもっている人からレクチャーを受けると、より理解が深まるはず。大石林山が主催する「アシムイ スピリチュアルツアー」を利用すれば、知らずに通りすぎてしまいそうな場所でも、ガイド付きで案内してもらえます。(料金大人2000円、小人1000円/1日2回10:30〜、14:00〜(所要2時間、要予約)/TEL0980-41-8117(大石林山) 携帯090-2585-8111)。

大石林山から見た安須森.jpg

大石林山から見た安須森(アスムイ)。宜野久瀬(シヌクシ)、アフリ、チザラ(シチャラ)、イヘヤという4つの連なる岩峰からなり、大石林山があるのはイヘヤ周辺。神が降り立つのは、南端の宜野久瀬(シヌクシ)嶽の山頂で、ここが辺戸岳山頂(標高248.3m)。その前兆が、アフリ嶽の上に雲となって現れるという。この笠雲は、一説には貴人が差す大きな日除けの傘=中国伝来の涼傘(冷傘、リャンサン)に喩えられ、琉球ではこの傘を「アフリ」と呼ぶことから、神出現の前兆が現れる山として、アフリ嶽の名がある


posted by シマウマ-クラブ at 16:39| 沖縄のおすすめ