山形、秋田両県にまたがる標高2236m(新山山頂)の鳥海山は、その美しい姿から「出羽富士」とも「秋田富士」と呼ばれ、古来から信仰の対象となったコニーデ火山。2つの二重式火山が複合したもので、侵食が進み鳥海湖を有するカルデラ湖の西鳥海と、新しい溶岩地形の新山などのある東鳥海からなり、それぞれに中央火口丘と外輪山があります。
本格的な登山シーズンは例年7月上旬から9月中旬頃で、5月上旬だと初心者にはまだ時期尚早ですが、鳥海山5合目にあたる鉾立口(象潟口)には、山形県遊佐(ゆざ)町の沿岸部と秋田県にかほ市象潟(きさかた)を結ぶ、延長34.9qの山岳ドライブウェイ「鳥海ブルーライン」が通じており、車で一気に5合目まで到達が可能です。
鳥海ブルーライン入口、遊佐町吹浦の複雑な海岸線は、鳥海山の噴火で流れ出た溶岩が冷え固まり、浸食されてできたもの。岩場に刻まれた十六羅漢岩も見られる
この鳥海ブルーラインの開通は、2013年4月26日(金曜)10:00から。入口の小野曽旧料金所からパトカーの先導で、標高1000m、鳥海山4合目にある国民宿舎大平山荘までパレード走行を行ない、春山開きの安全祈願祭を実施。大平山荘前では限定100食の豚汁サービスもあります。ただし6月中旬頃までは路面凍結の恐れがあるため、17:00から翌8:00まで夜間閉鎖。走行にはくれぐれも注意を。
また5月中旬まで雪の回廊が残る標高1150mの鉾立口には、300台収容の大型駐車場を完備。駐車場から徒歩5分の鉾立展望台からは、鳥海山をはじめ、眼下に奈曽(なそ)渓谷や庄内平野、晴れた日には遠く日本海に浮かぶ飛島、男鹿半島までもが一望のもと。まずは鳥海随一の展望台から眺めを楽しんだ後、次なるポイントは、平成の名水百選に選定の元滝伏流水。
これは鳥海山の伏流水が幅30m、落差5mの滝となって元滝川へ落ちたもの。さらに上流に溶岩流の末端に懸かる元滝もありますが、現在のところ立入禁止。ちなみに鳥海山の山岳部は、湿った日本海の空気が上昇気流となって山にぶつかるため、世界自然遺産「屋久島」よりも降雨量が多いとか。
駐車場から徒歩5分程度に位置する、納涼スポット・元滝伏流水
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