長野県の北部・飯縄山東麓に位置する飯綱町は、地蔵久保のオオヤマザクラ(大山桜)をはじめ、袖之山のシダレザクラや曹源院のシダレザクラなど、一本桜の隠れた名所が目白押しで、飯綱東高原に広がる5haの「むれ水芭蕉園」のミズバショウやリュウキンカ、上赤塩のカタクリ群落など、春には里山一帯が花の楽園と化すエリア。
そして、上記の花たちとまさに入れ替わるように、桃やりんごの果樹の花が咲き誇るというわけです(ちなみに5月末からは、レンゲツツジやあじさいが開花)。なかでも平出地区にある丹霞郷は、晴れた日には飯縄山、戸隠連峰の高妻山、黒姫山など北信五岳を見渡す、約1500本、10haもの広大な桃畑。1933(昭和8)年、当地を訪れた洋画家の岡田三郎助らによって、薄紅色の桃の花が霞のようにたなびくさまからその名が付けられたとか。
長野・善光寺方面から通じる県道60号(旧北国街道の宿場町)にほど近い、平出地区にある丹霞郷。路傍にはオオイヌフグリやヒメオドリコソウなども咲いていた。例年花が見頃となる4月下旬から5月上旬には、仮設トイレも設置され、GWにはイベントも実施。しかし期間外は仮設トイレも撤収され、また一般の果樹園(桃、りんごを栽培)でもあるので、農作業の妨げにならないように観賞を
一方、国道18号と併行して走る広域農道の北信五岳道路・信濃ライン沿い、倉井大原地区にある通称「大原のりんご畑」も、晴れた日には雄大な北信五岳とリンゴの白い花とのコントラストが絶妙で、いかにもフォトジェニック。現在5分咲きなので、今後の天候次第ではありますが、週明けまで見頃は続きそう。2013年4月13日(土曜)から5月19日(日曜)までは、「いいづなまち花まつり」も実施され、期間中はイベントも開催。
また道路沿いにはさみず農産物直売所「さんちゃん」もあり、地元でとれた旬の野菜や山菜をはじめ、おやきやりんごパイなど、飯綱町特産の農畜産加工品を販売。今の時期は雪のなかで保存された「雪りんご」のみになりますが、もちろん秋にはとれたてのりんごも楽しみ。ドライブ途中の休憩スポットとして、ぜひ立ち寄りを。
飯縄山をはじめとする北信五岳を望む、倉井大原地区のりんご畑。主力品種はふじ、シナノスイート、秋映(あきばえ)、シナノゴールドなどで、りんごの花は、飯綱町の町花でもある。りんご畑は北信五岳道路沿いにあるので、花が終わっても大パノラマを眼前にした快適なドライブが楽しめる
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