しかも学生時代写真部だったので、ヘタな自分よりよっぽど写真も上手い。でも、周りに迷惑がかかるといけないからと撮らずに車で待機。山野草の名前を聞けばすぐさま答えが返ってくるしで、こちらの立つ瀬がない(¨;)
運転までしてもらい、何だか申し訳ない気分に陥りつつも、小布施橋を渡って行き着いた先には、百花繚乱の花畑が!! 菜の花や八重桜、ハナモモが同時に咲き誇り、すごいねー、やっぱり地元のおばちゃん情報恐るべしだねーなどと、しばし狂喜乱舞。いやー、本気で喜ぶ姉の姿を見て、少しホッとしたなぁ。
とはいえ、実はこの千曲川ふれあい公園(千曲川河川公園リバーサイドパーク)、地元長野ではかなり有名らしい(¨;) が、その割には人が少ない。これだけすごい場所が関東近郊にあったなら、もっと混みそうなものを。地元の人はバーベキューセットを持ち込み、和気あいあいって感じだし。まだ歴史が浅いからか、よそからの観光客はみな、小布施の栗菓子地帯に吸い寄せられているのだろうか。
上信越自動車道の小布施スマートIC付近から、千曲川右岸の堤防上に約600本、全長4kmにもわたって咲き誇る桜堤も、どこまで続くんやー、と思うほど壮観な眺め(高速道路からも眺望可)。また桜は、ソメイヨシノより開花期が遅いサトザクラの栽培品種である、八重咲きのイチヨウ(一葉)が植えられており、これも3種の花がほぼ同時に見られるようにとの工夫なのか、ホントによく練られているなぁ。
そういえば帰り際に見た、杉の大木に隠れるようにある3つの石祠が気になり、地元の方にお尋ねしたら、これは「権現さん、山王島のお宮さん」と呼ばれており、水難除けの水神さまを祀っていたものなのだとか。
もともと千曲川の流路は、現在の国道18号寄りにあったものが、水害によって流れが変わり、村も被害を受けたため、現在地から南東にお宮ごと移転。今では小布施橋のたもとに熊野、戸隠、山王島古村の石祠が残るのみですが、まさに権現さまが勢揃い。
また小布施橋も、もともとは山王島の渡しという渡船が行き交った場所。今は保存会の手により観賞用として咲く1.5haの菜の花畑も、かつては菜種油の原料として育てられた貴重な換金作物。そのたなびく様子から黄金島の別名があったとか。
この山王島も含め、堆積地を示す「島」と名が付いた周囲の村々は、千曲川の水害に悩まされた地域。沿岸では一定期間ごとに村の共有地を割り当て直す、地割の慣行があり、これにより小布施では独自の測量技術が発達。山王島という地名も、中世の山王信仰が残る堆積地、という意味にもとれる。なんとも歴史を感じさせる場所でした(つづく)
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