前日の大船山・御池の苦渋登山を終え疲労困憊で自信をなくしていたので、山荘の温泉で多少疲れが取れたとはいえ、朝起きるまで三俣山に登る確率は半々か、むしろ「やめる」に7割。
ところが、目覚めるともう行く気満々。とはいえ、夕べおじさまに言われた南峰直登ルートは取りやめ。慣れていれば1時間で行くとのことで、わざわざ坊ガツルからのわかりにくい登り口の話や、今朝その直登コースで行く人まで紹介してくれたのに申し訳ないが。
というのも、おいらの登りが極端に遅いため同行者が懸念していたのと、熟練ならいざ知らず、自分のような初心者はやめておいた方が無難だと思ったから。ひとまず山荘から諏蛾守越(すがもりごえ)のルートを取れば、分岐に到着した時点で体力的にきついと感じたら、あえて山頂には向かわずそのまま長者原に下山、撤退の判断ができるから。
北千里ヶ浜から硫黄山方向に進む
スガモリ越避難小屋前のから三俣山西峰への登り口が始まる
そう考えると気が楽になり、のんびりとコーヒーを飲み、8:30すぎに山荘出発(皆さん既に出発し一番最後)。登り始めはややきついけど、北千里ヶ浜からスガモリ越の避難小屋までは標高差もなく、比較的楽。
昨日にもましてピーカンで気分もいいし、もちろん登ります。でも登り始めたらやっぱりつらい(__;) ここも大船山と同じく登り口から岩がゴロゴロ、火山泥のガレ場が続きます。
大船山と違うのは、登山道が一面クマザザで視界が開けている分、目標点が見えやすいこと。これは気分的にだいぶ楽。眼下の景色も後押しし30分で標高1678mの西峰に到着。ここから反時計回りで南峰に向かいます。
三俣山西峰から見た大船山
スキップするはずだった三俣山IV峰から見た南峰と大船山。この頃はまだ元気
実は西峰から間違えて、行くつもりのないW峰に到着、あわてて先の1743mの南峰へ急ぐハメに(これで結果的に5峰制覇しちゃったわけですが)。
南峰は山頂近くがテラス状になっており、360度景色がいいのですが、ここではほとんど休憩を取らず、せかされるように小鍋へ。っていうか、対岸の北峰方面を見た時、一瞬気が遠くなり呆然としていていた自分(ホントにあれに登るの!?)
三俣山南峰から見たみごとな北峰の紅葉。この時は口に出せなかったが、これからお鉢をまわってあそこの上まで行くのかと思うと、内心びびりまくり
しかしこの南峰からぐるっと火口壁の縁を歩いて対岸にある北峰まで行く小鍋・大鍋のお鉢めぐりのルート、結構見つけづらい。最初の分岐表示が見当たらず(逆回りの方がよかったか)、入口付近でベテランらしき人に確認しながら進入。
しばらく踏み跡を頼りに、低木の小枝をかきわけながら行く感じ(長袖じゃないと肌が傷つくかも)。途中から小さなリボンがぽつぽつと見られ、少し安心。
三俣山お鉢めぐり始まりの小鍋の縁。眼下には坊ガツルと大船山が
やっとのことで小鍋を見下ろす縁に出たら、ご覧の眺め。すごい、すごすぎる。ここから大鍋の縁まで、平治岳、大船山をバックに素晴らしい眺めの連続で、感動しながら写真を撮り(とはいえ、ペースが遅いからとあまり撮れず)、北峰の登り手前で小休止。
小鍋の縁から見た稜線の紅葉(左)と北峰の斜面(右上) 北峰と本峰の鞍部の紅葉(右下)
ところがここで小競り合い勃発。12:30を過ぎて腹のムシが騒いでいるせいか、アナタ、あの急登を登れるの? 鎖場あるよ、こんなスローペースでは到底ムリ。引き返すよ、と半怒りでおっしゃる。ええっ、ここからが本番って昨日おじさまにも言われたし、君こそめっちゃ調子合わせていたじゃないですかー!
ここまで来て敵前逃亡はいやだと粘っていたら、先に休んでいたおばさま方が加勢。私たちもゆっくり行くから一緒に登りましょうよ、と。超渋々だったけど、おばさまたちの手前了承されることに!!(お調子者がブーメラン♪)
北峰への登りはご覧の通りの急登。右端に点々と見えるのが登山者です。これを見て相棒にアンタにゃ無理と言われる。そりゃそうだ
とはいえ、もうこうなると弱音は吐けない。不退転の覚悟で頑張りました! 亀の歩みではなりますが、自分的には休みも取らず一心不乱(転倒に備えてカメラもザックに収納したため写真も最小限。前日の大船山では転倒して歩けなくなっていた人もいたので。初心者のお鉢めぐりはとくに注意が必要だと思われます)。
三俣山北峰から見た大鍋と奥には大船山。初心者にお鉢めぐりはきついけど、大鍋・小鍋ともすばらしい紅葉で来てよかったと思わせる
とくに北峰から本峰にかけてはロープ場が何カ所もあり、最後の急登なんて雨後の粘土みたいでダダ滑り。両手で枝や根っこをつかまねばならないので、軍手は必携です。
それにしても、小鍋の縁で出会ったおばさまたちに感謝。あそこで加勢してくれて本峰までご一緒できたおかげで、どれだけ気が紛れたことか。「すごいねー、やっぱりここまで来て良かったねー」と2人のにぎやかな声が山に響き渡り、大いに励まされました(おかげで2人の休止に合わせた時だけ下の写真が撮れた(^◇^;)
三俣山北峰から見た大鍋方面と大船山。北峰は岩場で休めるところがないので、そのまま休みなしで本峰へと急いだ
13:30、本峰(1744.7m)到着。8:30に山荘を出てここまで5時間、やっと昼食休憩です。着いたらすぐに山頂は真っ白なガスに覆われ、大鍋も霞むような状態に。
おばさま方は「ここまで来たらもうガスってても関係ないわ。本当にギリギリだったわねー。私たちはもうここに用はないから、先に大曲に戻るわー」と超明るく下山。あのまま黙々と登っていたら険悪ムード必死だったんで、お2人のおかげで本当に助かりましたー。大牟田のポジティブおばさま、ありがとうございました!!
三俣山本峰山頂に着いた途端にガスに覆われ、わずかに大鍋方面が見えたもののその後は殆ど眺望なし。昼食に高菜入り熊本棒ラーメンを作ってもらい、元気回復!
あとはスガモリ越〜硫黄山道路経由で長者原へ。本峰最初の分岐でも踏み跡が何本もあり、いきなり初っぱなから道を間違えそうになったり、スガモリ越からもしばらくガレ場が続き、舗装道路に出るまで結構ハードな下山。最後は車道を行き、16:10長者原着。
全体的に超スローペースでタイムはまったく参考になりませんが(休憩も含め約7時間半もかかった!)、2日間よく歩きました。これで万年初心者卒業か!?
(つづく)
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posted by シマウマ-クラブ at 10:13| 九州のおすすめ