2013年12月28日

初詣はお伊勢詣りへ! その5 安乗崎&大王崎の初日の出と夕日

西の英虞湾も美しいのですが、熊野灘に突き出した安乗崎、大王崎は絵を描く人やカメラマンには注目の地。

的矢湾(まとやわん)の入口に位置する安乗崎も、人気の日の出スポットのひとつ。とくに灯台周辺は「安乗崎園地」として整備され、快晴ならば日の出と富士山を同時にファインダーに収めることができる一等地。

毎年ここで初日の出を見るというファンもいて、例年、元日早朝には地元自治会が特製の伊勢えび汁などを用意し、地元の人たちとともに初日の出を迎えます。

安乗埼灯台.jpg

大王崎、鎧崎(よろいさき)とともに、志摩の三崎と呼ばれる海難の地、安乗崎。四角い灯台の安乗埼灯台は、灯火部分に上れる参観灯台となっている

また遠州灘と熊野灘の荒波が寄せる大王崎の沖合は、船乗りが「伊勢の神前、国崎の鎧、波切大王がなけりゃよい」と恐れた海の難所。岬突端に建つ白亜の灯台は塔頂まで22.5m。安乗埼灯台と同様に、灯火部分まで上ることのできる参観灯台になっています。

大王埼灯台の建つ西の入江が波切漁港。大正時代に国が整備した漁港で、間知石による矢羽積の石積みが現在も残されています。飛鳥時代にはここで揚がる魚を切って乾燥させ都に運んだといい、その「魚切里(なきりさと)」が「波切」という地名の由来とか。

この大王町は石工の町でもあり、漁港を囲む港町は石畳や石垣が昔のままに残された貴重な場所。こんな素敵な景観を映画関係者が見逃すはずがなく、『君の名は』『この世の花』『浮草』以来、約20本の作品のロケ地になっています。

とくに小津安二郎監督の撮った『浮草』は有名で、絵になる風景を求め、今も多くの芸術家達が大王崎と波切漁港にやって来ます。波切城跡を整備した「八幡さん公園」なども人気スポットです。

大王埼灯台.jpg

まさに波を切るような大王崎突端に建つ大王埼灯台。安乗埼灯台と同様の参観灯台で、2013年12月31日から2014年1月3日の17:00から翌朝7:00までは灯台のライトアップも実施

さらに時間が許せば、「先志摩(崎島)」と呼ばれる志摩半島の最西端へも足をのばしてみましょう。真珠筏を間近に眺める無名のビューポイント・長田橋、白砂と遠浅の海岸がみごとな御座白浜(ござしらはま)、映画のラストシーンのロケ地となった阿津里浜(あづりはま)と、夕日スポットが待っています。

ここまで来るとまさに知る人ぞ知るという感じで、海水浴シーズン以外は観光客も少なく静か。デートならロマンチックなひとときが過ごせます。



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posted by シマウマ-クラブ at 13:02| 淡路島のおすすめ