2014年02月11日

紀州路絶景ドライブ(5) 日本最古の共同浴場・湯の峰温泉つぼ湯で湯垢離

みなべで観梅した後は、田辺から中辺路(なかへち)を一路本宮へ。熊野本宮大社の参拝前にぜひ立ち寄りたいのが、4世紀の開湯とされる「湯の峰温泉」。

国道311号からは、渡瀬隧道を抜けた先の渡瀬温泉から熊野川沿いを本宮へと遡上するのが近道ですが、ここは少し遠回りでも隧道を出て左折。しばらくすると湯の谷川沿いの山間に、素朴な温泉街が見えてきます。そこが湯の峰温泉




その温泉街の中心にあるのが、公衆浴場の「つぼ湯」。実はこのつぼ湯、「日本最古の共同浴場」ともいわれ、中世には清めと疲労回復の目的で本宮大社の参拝前に人々が入浴した歴史ある温泉場。

ゆえに現役の浴場としては世界で唯一、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録されています。

湯の峰温泉つぼ湯.jpg

中世熊野詣の「湯垢離(ゆごり)場」でもあった峰の湯温泉。混浴の共同湯「つぼ湯」には、室町時代の豪族・小栗判官が蘇生したという伝説も残る。つぼ湯の受付は湯の峰公衆浴場で行ない、混雑時は順番制。また源泉が非常に高温のため、湯温が高い場合もあるので入浴前に確認を

河原に設けられた簡素な木組みの湯小屋と自噴泉の白い湯煙で、いで湯感アップグッド(上向き矢印) 実はその道中雨脚が強まる一方で、ここに着くまではちょっとテンションが下がり気味だったのですが、この山間の風情を目の当たりにし、気分も一気に回復晴れ

湯の峰公衆浴場で受付を済ませ、さっそく湯小屋の扉を開けると、なにやら洞窟めいた空間が。そして一段低い場所には、天然石をくり抜いた小さな混浴の湯船がひとつ。2人も入ればいっぱいという感じの文字通り「つぼ湯」(足もとが滑りやすいので石段には注意を)。

湯の色は1日に7度も変わるといわれ、入浴時はややブルーグレーがかったにごり湯(泉質は硫黄泉)。目の前には巨石が迫り、いやがおうにも秘湯ムードが盛り上がります。

ただし人気ゆえ30分の交代制。あまり余裕がないので、急がねば(たまたま入浴した日は冬場でしかも豪雨だったため、待ち人もおらずすんなり入ることができましたが、人が多い場合は番号札による順番制に)。

入浴時間がやや短めで区切られているので、のんびりゆったりというわけにはいきませんが、共同湯の料金(湯の峰温泉公衆浴場にも入浴可能)でありながら、貸切風呂のように利用できるのは魅力。

また共同湯前には、常時90度もの源泉が自噴する「湯筒」があり、町の人も利用しています。もちろん旅行者でも売店などで購入すれば、湯上がりに温泉玉子やふかし芋作りをして楽しめます。

開放感たっぷりの温泉も好きですが、この狭い穴蔵感たっぷりのつぼ湯の、なんともいえないワクワク感。今思い返しても格別だったんじゃないかなぁ。

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posted by シマウマ-クラブ at 16:40| 和歌山のおすすめ