この川湯温泉は、熊野の山中を流れる大塔川(熊野川の支流)の河原を掘れば温泉が湧くという土地柄。川べりに作られた「仙人風呂」は、川底から湧く73度の源泉に大塔川の清流を引き入れ、40度前後に調整した野趣満点の大露天。周囲はよしず張りの簡単な囲いだけというワイルドさです。
湯の峰温泉のつぼ湯が閉所洞窟系の隠し湯なら、こちらはもろオープン! それもそのはず、下の写真でもおわかりのように、石ころの河原にどーんと開けたこの仙人風呂、一度に千人!? は入浴できるほどの大きさ。
男女別の簡易更衣室はありますが、浅めの湯船は男女混浴となっており周囲からは丸見え。このため水着の着用が推奨されています。また場所により温度差があり、しかも雨が降れば増水によりぬるくなるなど、天候に大幅に左右されるので注意を。
毎年冬場に川をせき止め、広大な露天風呂が出現する川湯温泉・仙人風呂。江戸時代初期には仙人風呂が始まったという話だが、自然の地形を利用しているため毎年形状も異なる
ただ不確定要素として挙げられるのが、源泉が自噴する河原をせき止めて作られた湯船ゆえ、しばしば大雨の影響を受けてしまう点。
もともと熊野は雨量の多い地域なので、時にはシーズン途中に湯船が流されて復旧が間に合わず、そのまま営業終了ということも(その場合は旅館街の中心にある「川湯温泉公衆浴場」へ)。そもそも川底に湯が湧くのも豪雨も、ともに自然のなすことといえばそれまでですが。
2014年は今のところまだ営業中。設営期間は例年12月から2月末の6:30から22:00までで、基本「入浴無料」というのが嬉しい限り。
ちなみに3月以降は、川沿いに並ぶ各宿が独自に専用の湯船を河原に設けるのですが、宿泊者以外はスコップを持参し「マイ露天風呂」を造るしかありません。まあそれもそれで楽しい作業ではありますね。
というわけで、つぼ vs 千人、あなたはどっち派!?(なんて選ぶ必要ないけどw)
夏場の川湯温泉。文字通り「川が湯」なのである
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