本宮を後に、十津川街道を南下、熊野川河口の新宮に出ます。古来熊野詣では、「川の参詣道」といわれる熊野川を舟で下ったといいますから、昔の人も同じ景色を眺めていたのでしょうか。
もとは熊野本宮本社があった神域の大斎原(おおゆのはら)
さて熊野速玉大社にお参りしたら、ぜひ足をのばしてほしいのが神倉神社。ここは「ごとびき岩」という巨岩が、そのままご神体となった場所。
那智の大滝や巨木もそうですが、熊野は自然崇拝の地。急峻な崖にまるでへばりつくような絶妙のバランスで立つこの巨岩を、古来の人々が見逃すはずもありません。
しかも周囲からは弥生時代の銅鐸の破片や経筒も出土。まさに古代から祭祀が行なわれてきた場所と考えられています。
例年2月6日に行なわれる火祭り「お燈祭」では、白装束に荒縄を締めた男たちが松明をもち、この石段を駆け降りる
そして、もともと熊野三山の神々(熊野権現)が最初に降り立ったとされるのも、別名「神蔵峯」「神の磐座(いわくら)」「権現山」とも呼ばれる、この神倉山。
つまりその中腹に鎮座する、ごとびき岩・神倉山こそが根本聖地であり、新宮(=熊野速玉大社)に対しての古宮(=神倉神社)にあたるわけです。ゆえに新宮に社地が移転した後も、その摂社飛び地として守られています。
それにしてもご覧下さいこの姿。まさに神が坐す岩(磐座)にふさわしい雰囲気。ここに到達するまでは、538段もの急な石段を登らねばなりませんが、この石段も源頼朝による寄進と伝わる鎌倉積みとか。歴史の重みをひしひしと感じます。
しかしこの場所、岡山の笑う岩以来のインパクト。巨岩好きなら避けては通れませんて(^_^;
これが神倉神社のご神体、ごとびき岩。「ごとびき」とは熊野での方言でヒキガエルのこと。神話の時代にさかのぼると『日本書紀』に記された神武天皇が登った天磐盾(あまのいわだて)がこの神倉山とも伝わり、のちに修験道の霊山にもなった。社殿と御神体のある場所は展望地となっており、熊野川や太平洋が一望のもと。海上からの目標地物でもある
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posted by シマウマ-クラブ at 13:54| 和歌山のおすすめ