明かりをつけましょぼんぼりに、お花をあげましょ桃の花。
今日は楽しいひなまつり♪
って、終わっとるやないかい! と怒らんとって下さい(^◇^;)
シャトレーゼで買ったひなまつりシフォンケーキ。男雛が左なので関東風?
ご存じの方も多いとは思いますが、近年全国的にも町おこしの一環として、ひなまつりイベントが盛ん。
もともと旧暦3月3日のお祭りなので、山梨県甲州市の「えんざん桃源郷ひな飾りと桃の花まつり」など、4月までやっているところが結構あるのでお許しを。
そのルーツは、中国の禊祓「上巳(じょうし)」。初めの巳の日、つまり季節の変わり目に邪気が来るとされ、これを祓うのが主眼。
そこにさまざまな行事風習が渾然一体となり、江戸時代には幕府によって3月3日が「五節句」のひとつに定められたことから、庶民の間にも定着していったとか。
また奈良平安の宮中で行なわれていたという歌詠みの行事「曲水の宴」もルーツのひとつ。古式にのっとったものは、福岡の太宰府天満宮など、各地で見ることができます。
これに平安貴族の雛(ひいな=人形)遊びなどが加わり、人形飾りへと発展していくわけです。が、改めて思い知らされるのは、ひなまつりは人形を飾るものという自分の固定観念。
太宰府天満宮で行なわれる禊祓えの神事「曲水の宴」
実は、一方で人形には穢れを祓うための「ひとがた」的役割を負わせる比重が大きい地域もあり、これが女児の初節句にあたって健やかな成長を願う「ひな流し」「流し雛」へとつながっていきます。
この流れは桃の花がもつ意味についても同様ですが、以前書いたので省略。要は桃も厄払いの道具であり、それが転じて無病息災や長寿のラッキーアイテムとなるわけで。
それにしてもこの流し雛、自分の故郷では見られなかったのでことさらに興味があります。現代の感覚では人形は玩具や観賞用。それを愛玩目的ではなく身代わりの「ひとがた」、形代として活用し、さらにそれを水に流すという発想。
穢れを流す禊、垢離(湯ごり、水ごり)も同じような考え方でしょうが、それを人間の身代わりに人の形をした紙で代用させようという発想がすごい。
あ、すでにこの発想がダメなのか。古代中世の人にとっては逆なんだから。人形だって今みたいに立派になるのは江戸時代だし。しかしこれ海に流すのは当初陰陽道のようですが、浄土信仰まで入ってくるのでしょうか。
鳥取県の用瀬では例年旧暦の3月3日、ワラで編んだ小舟に、一対の紙雛と桃の小枝や菱餅などをのせて千代川に流す
しかし節分の時に出て来た鬼も、いうてみれば身代わり、シンボル化されたもの。そんなことをいえば、富士塚、仏像、お札から何からそうなるけれども、これらはいかにも霊験あらたかな感じだしなぁ。
人形やお面だと、今とはちょっと扱われ方がかけ離れている分、気がつきにくい。宗教的なことから離れて民芸品や郷土玩具などとしても流通し、観賞用、愛玩用になったものもあるから、当然といえば当然なんだろうけれども。
ものごとを何かに見立てるとは、身代わりというか、追体験ってことなんでしょうね。昔の人はすごいなぁ。
で、雛流しの古式系のものは和歌山市加太の淡嶋神社ですが、これは毎年新暦の3月3日にやっているので既に終了。
これから見られるものとしては、鳥取市用瀬の「もちがせ流しびなの館」周辺で行なわれる「流しびな行事」。2014年は4月2日(水曜)の10:00からで、当日流し雛を購入すれば「流しびな体験」も可能。
柳川雛祭りさげもんめぐりの会場で見られる目にも鮮やかな「さげもん」。さげもんとは、「吊し雛」のこと。藩政時代の柳川では、女の子が生まれた時、親戚や知人から贈られた着物の端切れで、健康と幸せへの願いを込めて、縁起のよい鶴や兎など手作りの布細工と柳川地方伝統の大まりを吊したという
また流し雛がメインではありませんが、壮観なのが福岡県柳川市の「柳川雛祭りさげもんめぐり」。2014年は2月11日(火曜・祝日)から4月3日(木曜)までで、沖端水上ランタンや雛めぐり舟運航など、期間中さまざまな行事が行なわれます。
なかでも注目は、3月16日(日曜)の「おひな様水上パレード」。水上に飾られた「さげもん」の中を、お内裏様やかわいい稚児たちが雅に舟で進む水上パレード(沖端〜三柱神社)は、実に絢爛豪華。
またせっかく水郷のまち・柳川を訪れたなら、旧城下に張り巡らされた堀と白壁や赤レンガの街並みをくぐる川下りはぜひとも体験を。川下りの終点にある若松屋は、食通で知られた檀一雄も贔屓にした鰻の名店。ふんわりとしたうなぎのせいろ蒸し、一度は味わいたい逸品です。
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2014年03月04日
ひなまつりの流し雛と柳川さげもんめぐり
posted by シマウマ-クラブ at 17:09| 九州のおすすめ