妙本寺・二天門の脇に咲き誇るソメイヨシノ
今回の観桜は、「日蓮ツアー」というわけではないけれど、本覚寺から比企谷、名越を経て材木座を目指すと、結果的にそうなる。とはいえ、先を急いでいるので取りこぼしが多い(¨;)
というわけで、お次は夷堂(えびすどう)橋を左に折れた妙本寺。この一帯は比企谷(ひきがやつ)と呼ばれ、源頼朝の乳母、比企尼に連なる比企一族の屋敷跡。
2代将軍頼家はここで生まれ、比企能員(よしかず)の娘・若狭局は妻となり、頼家の子・一幡と竹御所(4代将軍九条頼経の妻)を産んだ。
当時の乳母は単なる養育係ではなく非常に影響力をもっており、ましてや比企尼は頼朝流罪の折、京から領地の武蔵国比企に下り、頼朝を物心両面で支え続けたのだから、身寄りのない頼朝が頼りにするのもわかる。ある種の後見人ですね。
そうして源氏2代にわたって乳母が出た結果、比企氏は頼朝・頼家の側近となるわけですが、これが悲劇の始まり。実母側の北条氏としたら権力闘争上、邪魔でしかない。結局頼家もろとも滅ぼされてしまう。
苔むした方丈門の参道を行くと、奥には本堂がある
本堂前ではシダレザクラやソメイヨシノの他、ミツバツツジやツバキもみごと
一族滅亡の危機に瀕した比企氏ですが、能員の末子・能本(よしもと)は当時2歳で許され、出家。これが比企大学三郎能本(順徳天皇の側近儒者)で、のちに許され鎌倉に帰郷。一族の菩提を弔うため、自邸に妙本寺の前身となる堂宇を建立。
これを当時鎌倉入りした日蓮に提供し、寺号を「長興山妙本寺」にしたといいます(命名・開山は弟子の日朗とも)。以来、日蓮宗の本山として池上本門寺と並ぶほどの勢力を保ったものの、今はひっそり。
しかし反権力で迫害された日蓮を庇護するとはなかなかいい度胸。竹御所や安達泰盛(時頼・時宗の側近で外戚)など親類縁者が権力者に連なるので、お目こぼしがあったのでしょうか。そもそも幼子とはいえ男子で、乱に連座せず助かったのも不思議。
日蓮宗布教の一大拠点となった境内には日蓮聖人銅像が立つ
と、前置きが長くなりましたが、まずは総門左手の方丈門から本堂へ。参道をかけ上がると、シダレザクラや満開のソメイヨシノがお出迎え。
うーむ、海棠(かいどう)はどんな具合か? と心配。が、ご安心を。祖師堂前のヤエベニシダレ(八重紅枝垂)とともに、ハナカイドウ(花海棠)もかなり開花。今週末には開花がいっそう進んでいることでしょう。
宝物館脇のヤエベニシダレ(八重紅枝垂)はまだつぼみもいっぱいだった
濃いピンクのつぼみを見るだけでもうっとりする、妙本寺のハナカイドウ(花海棠)
二天門脇のソメイヨシノはこの雨で多少見頃過ぎでしょうが、ここはヤエベニシダレとハナカイドウの競演だけで充分満足。まばゆいほどにピンクのシャワーが降り注ぎます。
しかも新緑が美しい祖師堂脇のシャガも咲き始めですから、これからの季節も楽しみ! ツツジやヤマザクラもきれいです。時間が許せば、祇園山のハイキングもいいでしょう。
イロハモミジの新緑がみごとな祖師堂脇にはシャガの群落が。ここから北条高時腹切りやぐらまで、祇園山ハイキングコースとつながっている
境内には、5月にかけて藤やツツジも咲き乱れる
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