2014年04月28日

千曲川河川敷ふれあい公園の菜の花と花桃、桜堤が見頃!

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小布施橋北側、千曲川堤防沿いに続くイチヨウの桜並木


前回の記事で須坂のウォーキングイベントについて紹介しましたが、そのクライマックスが、千曲川河川敷のふれあい公園

小布施橋の東側、千曲川右岸の堤防上に整備された約4kmにもおよぶ八重桜・イチヨウの桜並木(通称「桜堤」)と、広大な河川敷を利用した約1.5haの菜の花畑。さらには桃、プラム(スモモ)、りんご、梨など果実の花、ハナモモ(花桃)などなど。

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千曲川ふれあい公園で咲き誇る、薄紅色のイチヨウと濃い紅色のハナモモ

この千曲川河川公園は、千曲川ふれあい公園とも呼ばれ、小布施町の山王島一帯に整備されたリバーサイドパーク。

総面積は約10.8haありますが、なんでそんなに広大かといえば、それは千曲川氾濫の産物でもあります。とくにこの小布施橋(県道66号豊野南志賀公園線)付近は、川幅約1kmにもおよび、橋の全長も約960mという県内2番目の長さ。




ただそれだけ流路変更が多く、川幅が広くなったということ。自然堤防の上にあった村々は、大洪水のたびに集団移転を余儀なくされ、集落ごと左岸から右岸に引っ越しなんてことも。

このあたりは千曲川上に地域の境界線が引かれており、行政区分まで変わってしまう箇所もあり、先人の苦労がしのばれますね。

そして、周辺に見られる「●●島」という地名も、いうなれば輪中や中洲の名残り。新潟県側の信濃川にもそういう地名があります。

そんなご苦労があるわけですが、氾濫のたびに流路が変わることは、すべてに悪影響をおよぼすわけではなく、例えば土地は肥沃になるのだとか。それゆえこのあたりでとれるゴボウや長芋、ナスなどは味がいい、といいます。

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河川敷の菜の花畑は山王島地区の保存会の手によるもの


また、なんでこの山王島の河川敷にこれだけ菜の花が植えられているかといえば、かつてこのあたりでは燈油として使われる菜種油を絞るため、菜の花栽培が盛んだったという、歴史を踏まえたもの。

その後、河川敷は桑畑→根菜類、果樹などの畑に変貌。代替品の普及や不況・戦争などの時代背景、また台風・水害など自然災害の影響を受けながら、次々と作物を転換し、その過程で測量技術の発達や品種改良などが行なわれてきたわけです。

そして小布施や須坂に、往時のすばらしい蔵や芸術文化が残っているのも、これらの換金作物や千曲川舟運のおかげでもあるわけです。なんだか感慨深いなぁ。

なーんてのは後付ですが、要するに目の前に広がるこの美しい景色は、自然や地形、歴史的経緯と連続性があるということ。それにしてもこのお花畑、なかなか戦略的に作られていますね。

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園芸品種のハナモモもピンク、緋色、キメラ文様の源平までさまざま

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サトザクラのイチヨウは、ソメイヨシノが終わった後に咲き出す

というのも、まず千曲川堤防の上にある桜堤は、お馴染みのソメイヨシノではなく晩春に咲く八重のサトザクラ、イチヨウ(一葉)約600本が植えられています。

なので、北信ではちょうどGW後半が見頃。さらには、この桜堤と遊歩道を整備するにあたって盛り土の幅を広げており、これが堤防補強の一環にもなっていたりします。

また堤防と併行するように走る上信越自動車道から、約4kmにわたる桜堤を眺められるだけでなく、高速道路と直結の小布施スマートICを利用すれば、桜堤のある千曲川ふれあい公園は、目と鼻の先。

ただし小布施橋付近は渋滞するので、車は道の駅おぶせ・小布施総合公園が併設された「小布施ハイウェイオアシス」の大型駐車場に停め、桜堤までは無料のシャトルバス利用が便利。※シャトルバスは4月29日(火曜)、5月3日(土曜)〜6日(火曜)のみ運行。9:10〜16:50、運行は約20分おき。

ちなみに、2014年4月28日(月曜)現在で、シダレザクラ、ハナモモ、菜の花が見頃。もっとも開花が遅い八重桜のイチヨウは、3〜7分咲きとやや幅があります。

実桃の花や白いプラム(スモモ)の花などを含めた、一番多くの種類を見たいなら今。イチヨウが満開の桜堤にピントを合わせるならもう数日、でしょうか。もちろん今後の天気次第ですが。晴れていれば、北信五岳の山並みもみごとです。

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桜堤の下には駐車場もあり、地元の人たちは花見宴会をしている



posted by シマウマ-クラブ at 16:52| 長野のおすすめ