本州の湖では幻の魚になりつつあるヒメマス(姫鱒)。
そんなヒメマスですが、北海道千歳空港近くの支笏湖では、今も、湖畔の宿や食堂の主人が釣ってきたヒメマスが、食卓に上ることが日常的だとか。
日本最北の不凍湖といわれる支笏湖ですが、実は、環境省の「公共用水域の水質測定結果」では、倶多楽湖などを抑えて常に日本1の水質をキープしています。「公共用水域の水質測定結果」とは難しいネーミングですが、簡単にいえば、生活圏にある湖や河川のこと。
ヒメマスの棲息は、太古の自然がそのままに残る良好な水質がその背景にはあるのです。
十和田ヒメマスは、有名な和井内貞行が養殖に成功したわけですが、実は、明治35年に支笏湖から卵5万個を取り寄せ、孵化させて稚魚を放流したもの。ルーツはこの支笏湖だったのです。
では、支笏湖のヒメマスは在来種かといえば、明治27年〜明治29年に阿寒湖に棲息していた「カバチェッポ(後年ヒメマスと命名)」の卵を移殖したことに始まります。
移植を試みた千歳中央孵化場の主任・藤村信吉は、移殖の顛末記のまえがきに「非常に脂肪があり、食膳の珍味である」と記しています。千歳中央孵化場は明治21年に創設された事業所ですが、サケマス類の「優良魚種の移殖手段での育成」の理念に基づいての「カバチェッポ」の移植は、日本における人工孵化事業の発展の礎となりました。
そんな湖における人工孵化事業のルーツともいえる支笏湖のヒメマスですが、ご多分にもれず、減少傾向にあります。
地元の人の話では、「釣りによる乱獲が最大の原因でしょう」とのことで、平成20年3月1日付けで支笏湖ヒメマスに漁業権が設定されています。えっ!?、数年前までヒメマスに漁業権がなかったのと驚かれるでしょうが、ようやく、6月1日から8月31日までが解禁期間、そして金陵区域が設定されました。
さてさて、前置きが長くなりましたが、そんな支笏湖のヒメマス。まずは釣りボートも貸し出す恵庭岳山麓・ポロピナイ地区にある「ポロピナイ観光センター」に向かいましょう。
ポロピナイ観光センター
ポロピナイ観光センターのヒメマスの塩焼き
支笏湖を隔てて対岸に風不死岳を眺望するポロピナイ地区。「ポロピナイ観光センター」は湖畔に湖と風不死岳を眺望する素敵なテラスも設けられています。
その観光センターに入ってまず目に入ったのが、チップ塩焼1000円、チップ一夜干し500円などの表示。チップとは、ヒメマスのこと。つまり、ヒメマスの塩焼きが1匹なんと1000円で注文できるのです。驚いた顔をしていたら、
「毎朝4時頃から7時頃まで、自分で湖に出て釣って来るんです。だからこの値段で出せるんです」とご主人。
店内で味わうことも土産として持ち帰ることもできるそうですから、千歳空港への最後に寄り道するというプランもいいかもしれません。
「ポロピナイ観光センター」をあとにして、支笏湖温泉へ。
湖畔の温泉街は高級旅館化が成功して、大いに賑わっているとのこと。
そんな支笏湖温泉で、昔から評判なのが、食事処「寿」のチップ寿司。
贅沢にもヒメマスを握りにして味わえるというのです。
「ほどよく脂ののったヒメマスは寿司で味わうのが最高でしょう」
とご主人。
しかも、見慣れないヒメマスのイクラなどもあって、これがまた実においしい。
ヒメマス尽くし的な定食(膳)もあるので、昼食、夕食に最適です。
味付けも出しのきいた関西風で、西日本からの観光客にもおすすめできます。
取材協力:千歳観光連盟
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posted by シマウマ-クラブ at 11:33|
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