2013年11月27日

京都の紅葉(4) 12月は洛西・西山の散りもみじが狙いめ!

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大原野・善峯寺の紅葉


京都には紅葉の名所が数多いのですが、紅葉最盛期の11月には人出も多く、のんびりと紅葉を愛でるという感じではないのが残念なところ。

そこで少し出かける時期を遅らせ、もみじが参道や庭園に散ってからその風情を楽しむというプランはいかがでしょうか。地元、京都の粋人たちはこれを「散りもみじ」と称して楽しんでいます。

さて、散りもみじのベストシーズンといえば、12月上旬以降。紅葉の名所といわれる東福寺なども散りもみじが楽しめますが、できれば隠れ寺といわれる寺なら風情もひとしお。今回は善峯寺、勝持寺と西京区にある隠れ寺をご紹介。春の桜などが有名ですが「散りもみじ」も古都らしい「わび」があって素敵。

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山の斜面に造られた善峯寺境内を散策

まずは西京区大原野(おおはらの)にある善峯寺。長岡京市粟生の光明寺、長岡京市浄土谷の柳谷観音楊谷寺と並び、京都の西山三山の一寺。参道がモミジで覆われる光明寺は、紅葉の名所として非常に有名ですが、善峯寺は京の隠れ寺的な存在。

西山三山を結ぶ古道(巡礼道)を歩くプランも可能ですが、善峯寺山門前まで車で入ることができます(ただし12月1日まではハイキングのための駐車は禁止)。さすがに紅葉シーズンは混雑しますが、散りもみじの季節なら訪れる人も少なく、山寺の紅葉の素晴らしさを実感できます。

約3万坪もの敷地には、山の斜面を利用して国指定の重要文化財・檜皮葺(ひわだぶき)の多宝塔などの堂宇と庭園が配されています。京都を眼下にしながらの境内周遊は、40分ほど必要です。

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勝持寺・瑠璃光殿の紅葉。鐘楼そばには西行が植えたとされる「西行桜」(現在の桜は3代目)も残る

お次も京都郊外の大原野にある花の寺、勝持寺。勝持寺と聞いてピンと来る人はかなりの京都通。JR東海の『そうだ 京都、行こう。』キャンペーンで、1988年春のポスター、CMで使われたのが、勝持寺の桜です。

それまでは一部個人タクシーの運転手さんの「切り札」的な寺でしたが、以降、京都通には知られる寺へ。しかし、今でも桜の季節を除けば、 隠れ寺であることは間違いありません。色付きの素晴らしさは京都でも指折りといわれています。

この勝持寺は、2013年11月26日(火曜)現在で7分。見頃を迎えていますが、ピークはこれから。

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大原野神社も散りもみじが美しい

また長岡京遷都にあたり、桓武天皇の皇后が藤原氏の氏神でもある奈良春日大社の分霊を勧請したのが起源、という古社・大原野神社も、例年11月下旬からが本番。

藤原氏の氏神として栄え、室町時代には足利将軍家の保護を受けて発展。今でも妃などを多数輩出した藤原氏出身の姫たちにあやかり(藤原氏では女子が産まれると皇后や中宮になれるように大原野神社に祈願した)、良縁祈願に訪れる人が数多い場所です。




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2013年11月20日

京都の紅葉(3) 東山の紅葉からのグルメデート

京都は食の都。何を食べるか迷ってしまいますが、今回は東山にある清水寺からのアプローチとロケーション重視のデートをということで、こんなプランはいかがでしょうか。

清水寺から産寧坂(三年坂)、二寧坂(二年坂)・一念坂を経て、高台寺へ向かう道すがら、まずは昼食をという方には、八坂の塔の裏手、ねねの道突き当たりにある異色のイタリアン「ザ ソウドウ 東山 京都」をご紹介。

ここは京都御池の生まれで近代日本画の巨匠として知られる、竹内栖鳳(たけうちせいほう)の私邸だった日本家屋。八坂の塔(法観寺)を借景に、広々とした空間のなか、庭を愛でながら料理がいただけるという趣向のレストラン兼結婚式場です。

和と洋が融合した空間は、いかにも外国人が好みそうなロケーションながら、天井が高く落ち着いた雰囲気で、女性や年配客にも人気が高いようです。

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1階にある築100年以上というメインダイニング


気軽に楽しめるパスタランチから、九条ネギなどの京野菜や近江軍鶏など旬のもの、地ものの素材を用いたスペシャルコースまでさまざま。昼はカフェ、夜はバーとしても利用可能です。

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素材の味をいかし、軽やかなイタリアンに仕上げている

高台寺から東山一帯を歩いた後は、四条河原の木屋町通に出てひと休み。デートなら、乙女心をくすぐる喫茶ソワレを選択。ここはかつて水運で栄えた高瀬川を見下ろす2階にあり、創業は昭和23年という老舗。

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喫茶ソワレのゼリーポンチ。カラフルな色合いに心躍る

洋画家・東郷青児も常連で、壁には彼の絵も飾られています。人気はゼリーポンチで、透明なソーダ水の中に、赤や緑、青色の五色の四角いゼリーが浮かんでいます。ちなみに店内の青い照明は「女性の肌を美しく見せるため」。まさにデートにぴったりの店といえましょう。

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このほの青い照明が女性を美しく見せる秘密!?


夕食までの間、時間に余裕があれば、四条通の北に位置する錦市場をぶらぶら。全長390mに約130店が軒を連ねる京都の台所で、調理器具から食材まで何でも揃います。試食も可能な店も多いので、みやげ探しにも最適。しかし食べ過ぎにはご注意を。

締めの夕食ですが、ちょっと奮発して木屋町通の鳥彌三(とりやさ)へ。ここは創業1788(天明8)年という鳥料理の老舗で、坂本龍馬ゆかりの店としても知られた名店。とにかくどこまでも濃厚な鶏のスープを満喫できます。

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築220年という建物も趣があり、国の登録有形文化財にもなっている鳥彌三の町家建築。2階の座敷席からは鴨川を望み、夏には川床も設置され風情たっぷり


料理はコース仕立てになっており、鶏水炊きコースは1万2600円となかなかのお値段。ある意味、清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要かもしれませんw  

まずは先付けに季節のもの、甘めに仕上げた鶏肝などを味わいつつ、店の名物でもある水炊きの登場を待つ、というのが決まり。水炊きの白濁したスープは、鶏ガラを3日間煮込んだもので、丹波ぢどりの骨付き肉や京菊菜、白菜、豆腐や湯葉、焼き餅などを味わいます。

これでも充分すぎる量なのですが、最後の雑炊はすべてのうま味が凝縮されており、やはりはずせない味。まさに五臓六腑に染み渡ります。

鳥彌三前菜.jpg

鳥彌三鶏水炊き.jpg

丹波ぢどりなどの骨付き肉を用いた水炊きは濃厚そのもの。鶏のスープは徐々にねっとりとしだし、骨の味がより鮮明になっていく過程を心ゆくまで味わい尽くせる




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京都の紅葉(2) 清水寺の紅葉と東山の紅葉ライトアップ

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奥の院から見た清水の舞台


東山で紅葉といえば清水寺は超人気の場所。一年を通じて人波が途切れることはありませんが、紅葉を眺めるなら、奥の院や奥の院から子安塔へと向かう道からが人出も少なくておすすめです。

参道からみた清水の舞台.jpg

参道から見上げる紅葉は清水寺のなかでは比較的空いている


2013年11月15日(金)〜12月8日(日)の18:30〜21:30までは夜間ライトアップも実施中。11月17日(日)〜12月8日(日)の9:00〜16:00(受付終了)と18:30〜21:00(受付終了)には、国の名勝にも指定された成就院庭園「月の庭」の特別公開も行なわれています。

夜間ライトアップといえば、清水寺の北に位置する北政所ねね(高台院)ゆかりの高台寺圓徳院、円山公園北東に隣接した浄土宗の総本山・知恩院、皇室ゆかりの青蓮院門跡などでも、12月上旬にかけてライトアップを実施中。

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圓徳院はねね終焉の地


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ライトアップされた知恩院


また11月23日(土)〜12月8日(日)には、清水寺から産寧坂(三年坂)を経て、高台寺方面へと向かう一念坂・二寧坂に「季節を照らす灯籠の路」と称し、150もの竹の行灯が並びます。夕食を早めに済ませ、夜の散策がてら清水寺周辺に繰り出すというのも一興です。

気になる紅葉は、2013年11月20日(水)現在で、高台寺・円山公園は見頃。清水寺・地主神社、青蓮院門跡は5分から一部見頃。短時間でこれらすべてを回ることはできないので、見頃にあわせ的を絞った訪問を。




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2013年11月19日

京都の紅葉(1) 京都を代表する紅葉の名所、東福寺&南禅寺・永観堂が見頃!

794(延暦13)年に桓武天皇が都を移してから1200年あまりの間、日本の首都であり続けた京都。京都の紅葉は、ほかの紅葉の名所とは趣を異にしますが、なかでも臨済宗の名刹・東福寺は京都随一の紅葉の名所。

仏殿から開山堂(常楽庵)に至る洗玉澗(せんぎょくかん)と呼ばれる渓谷には、2000本ものカエデが密集。谷をまたぐ通天橋からの眺め(臥雲橋眺望)は京都一の絶景の譽れもあるほど。

東福寺洗玉澗の紅葉.jpg

東福寺洗玉澗の紅葉


東福寺のカエデは開山した聖一(しょういち)国師が宋から種子を持ち帰った唐カエデが始まりとか。わずか数本ですが、今もその子孫が渓谷に残っています。2013年11月1日(金曜)〜12月8日(日曜)までは、現存する最古の方丈建築で国宝の龍吟庵、重森三玲(みれい)氏作庭の方丈庭園「八相の庭」も特別公開されています。

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東福寺方丈庭園「八相の庭」。昭和の日本庭園の名工、重森三玲の手によるもので、氏の最高傑作の呼び声も高い。方丈の四周に庭園を巡らせており、こちらは南庭。八海に見立てた大海原に、巨石と築山で表した四島五山の小宇宙が広がる枯山水式庭園

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南庭の裏庭にあたる東福寺方丈・八相庭園の北庭。市松の文様の配置から別名「市松の庭」とも呼ばれている。春のサツキも美しい

また東福寺の塔頭(たっちゅう)である光明院の方丈前庭園「波心の庭」は、2000年秋のJR東海『そうだ 京都に、行こう。』で紹介され有名になった場所。背後の傾斜を生かし、こちらも重森三玲氏が作庭した現代の名庭です。

東福寺を見たら同じ臨済宗の南禅寺にも足をのばしましょう。東福寺の紅葉は2013年11月18日(月曜)現在で見頃、南禅寺は5分から7分といったところ。南禅寺境内にある琵琶瀬疏水の枝線水路・南禅寺水路閣や、塔頭寺院のひとつである天授庵(てんじゅあん)の趣の異なる二つの庭園を観賞もお忘れなく。

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南禅寺の塔頭、天授庵にある本堂前庭の紅葉。2013年11月15日(金曜)から11月30日(土曜)の17:30〜21:00まで、紅葉ライトアップも実施

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古代ローマの水道橋を参考に、明治21年に完成した南禅寺水路閣。琵琶湖の水が今も流れている。レンガ造りの橋と紅葉は京都の隠れた絶景のひとつ


さらにその北には東山で「紅葉の寺」の筆頭に挙げられる永観堂(禅林寺)へ。こちらも11月18日(月曜)現在で7〜8分と見頃。

紅葉の時期にあわせ、2013年11月8日(金曜)〜12月5日(木曜)まで「秋の寺宝展」も開催中。期間中の17:30から21:00までライトアップも実施されています。

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永観堂御影堂とモミジ




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