2015年06月15日

スペシャルなうなぎパイ

浜松の土産といって最初に思い浮かぶのがうなぎパイ。1961(昭和36)年に発売されロングラン人気を誇る銘菓です。
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東海道新幹線の中でも静岡県内の駅でもよく見かけるうなぎパイは春華堂のオリジナル菓子で、バターはとくに厳選し、砂糖はお菓子に合わせ特別精製した粒子の大きいグラニュー糖を使うなどこだわり原料に、うなぎエキス、ガーリックなどの調味料をブレンドした銘菓です。

誕生から変わらずに職人が手作りしていて、何千もの層になったパイはサクサクとした食感がたまりません。
二代目社長で「うなぎパイ」発案者の山崎幸一さんが浜松というと、「鰻で有名な」といわれたことから、その鰻をテーマにしたお菓子をと考案しました。




うなぎパイのキャッチフレーズを知る人も多いと思いますがそれは「夜のお菓子」。「家族の団らんのひとときをうなぎパイとともに過ごして欲しい」という思いからつけられたものなのです。

そのうなぎパイにスペシャルなうなぎパイ「真夜中のお菓子・うなぎパイV.S.O.P.」があるのをご存じですか。高級ブランデーの芳潤な香りとナッツの王様マカダミアの風味を包み込み、うなぎパイの頂点を極めた最高級うなぎパイです。元祖を超える最上級のうなぎパイとして誕生しました。
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真夜中のお菓子・うなぎパイV.S.O.P.は
春華堂神田売店(本社に併設)、佐鳴湖パークタウン店、うなぎパイファクトリーなどで販売しています。

「うなぎパイファクトリー」は見学も可能で製造工程を見ることもできます。
工場直売店ではうなぎパイをはじめ、春華堂の和菓子や洋菓子などを販売しています。

また、2015年7月25日に「うなぎパイカフェ」がリニューアルオープンの予定で、「うなぎパイのミルフィーユ仕立て」や「4種のうなぎパイ&メルティングショコラ」などオリジナルのデザートが味わえます。

「うなぎパイ」を楽天で購入する方はこちら(価格が安い順)

posted by シマウマ-クラブ at 16:31| 静岡のおすすめ

2014年01月24日

南伊豆町の「第16回みなみの桜と菜の花まつり」でひと足お先に春を感じる

「本州でもっとも早く春を感じる場所」と地元の人が誇るのが、避寒の地・南伊豆町。その南伊豆町で、2014年2月5日(水)から3月10日(月)「第16回みなみの桜と菜の花まつり」 を開催。

青野川にかかる弓ヶ浜大橋に近い日野(下田からの国道136号の下賀茂と弓ヶ浜の分岐点=バス停日野)に菜の花畑があり、上流の前原橋(県道121号下賀茂交差点=バス停前原橋または下賀茂)まで、桜を眺めながらのんびり歩いて約1時間。

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休耕田だった約3haに一面黄色い花が咲き誇る日野の菜の花畑。2014年2月9日(日)には「菜の花結婚式」が行なわれ、下田高校による菜の花コンサートも開催。また夏になるとここには約3万本のひまわりが咲く


途中、総合案内所や出店会場を兼ねた道の駅「下賀茂温泉湯の花」には、足湯や手湯、南伊豆町の農林水産物直売所もあり、休憩スポットとしても最適です。

まつり期間中の18:00〜21:00には、夜桜のライトアップも実施。ちなみに9:00〜16:00の間、前原橋から弓ヶ浜大橋・河川敷道路が車両進入禁止となるので注意を。

桜茶サービス、甘酒などおふるまいのほか、夜桜マラソン大会やノルディックウォーキング、地元下賀茂商店街による伊勢海老のみそ汁サービス、特産品販売の「軽トラ市 in 南伊豆」などなど、楽しいイベントも盛りだくさん。

また3月3日(月)〜3月9日(日)18:00〜20:00に行なわれるロマンチックな「2014夜桜☆流れ星」にも注目です。

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下賀茂温泉に近い青野川沿いの2kmにわたって河津桜800本が咲き誇る南伊豆町。同時に土手一面に菜の花が咲き、ピンクと黄色の競演が楽しめる






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2013年11月30日

駿河湾の桜えび漁は年2回! 由比・倉沢屋で昼食を

駿河からの富士山ビューを思う存分堪能したら、楽しみは食事。駿河は桜えび漁で有名ですが、光を嫌って昼は深海に棲息し、夜だけ餌を食べに浮上する桜えびにとって、駿河湾は理想的な環境。しかも桜えびの競りが立つのは、由比港と大井川港のみ。

そんな由比港で揚がった桜えびを、さまざまな調理法で味わうことができるのが、由比駅から薩埵峠への旧東海道沿いにある倉沢屋

桜えび漁の解禁時期は、3月中旬〜6月初旬と10月下旬〜12月下旬の年2回。ちょうど今が、秋漁の真っ最中。その日の朝、主人が由比の市場で買い付けた新鮮な桜えびを味わえるのです。

桜えびそのものの味を楽しむなら、当然、生桜えび630円がおすすめ。プチンとはじける歯触りで、ほのかな甘味が口いっぱいに広がります。生の桜えびが味わえるのも、由比漁港に近い倉沢屋ならでは。桜えびをふんだんに使ったかき揚げ840円は、すだちをかけて味わいます。

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倉沢屋の桜えびづくし


ほかには、釜揚げ630円、酢の物630円、桜えび饅頭630円など、桜えび料理のフルコースが楽しめます。桜えび料理は単品での注文も可能ですが、2名以上なら上記のものがセットになった「桜えびづくし」4200円がお得。

ちなみに由比港では、来年1月15日まではしらす漁も解禁されています。生しらすは、桜えびのプチプチ感とは異なり、とろっとろ。こちらもヤミつきになる味。

しかし生しらすといったら、なんといっても静岡市の用宗港がおすすめ。もしも時間に余裕があれば、由比からはちょっと離れますが、用宗港の漁協直売所ものぞいてみては。入荷状況にもよりますが、鮮度抜群の生しらすと釜揚げしらすが手に入ると思われます。



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2013年11月29日

「海道一」VS「日本一」

日本平からの富士山.jpg

日本平から眺めた富士山


薩埵峠と富士川からの眺めが「海道一の絶景」というなら、清水の日本平だって黙ってられん、というわけで日本平からの富士山がこちら。うーん、どれこれも甲乙付けがたい!

安倍川の扇状地が隆起して高台となったのが日本平。「日本一景色が良い平らな台地」というのが、その名の由来。だから日本一眺めのいい台地というわけです。

ドライブ的には清水市街から清水日本平パークウェイ、あるいは静岡市街から日本平パークウェイで日本平に上り、日本平で富士山の絶景を楽しみつつ、谷を渡る日本平ロープウェイ久能山東照宮に至るのがおすすめ。

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三保真崎海岸から見た富士山


で、個人的にはこちらも捨てがたいなぁと思うのが、上の写真。場所は「羽衣の松」で知られる三保松原の近くですが、駿河湾に突き出した半島先端に位置するのが、この三保真崎(まさき)。

世界遺産富士山(「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」)の構成資産に、逆転ですべり込んだ三保松原。しかしせっかく来たなら、羽衣の松だけで帰るのはもったいない。

最先端の清水真埼灯台から、半島東側の鎌ヶ崎の間にある真崎海岸は、まさに絶景中の絶景ポイント。清水港に出入りする船も眺められ、江戸時代の人々が好んだ「富士山画」の題材としても、これ以上ないほど絵になる光景。

一帯は海水浴場としても整備され、砂浜も美しい場所。「クマノミ・キッズ」が人気の東海大学社会教育センター海洋科学博物館」や、静岡の自然や巨大恐竜の全身骨格が見られる「自然史博物館」も隣接しており、家族連れにも最適。

時間があれば、水族館周辺の駐車場に車を入れて、先端側から鎌ヶ崎、三保松原まで散策するのもおすすめです。

もちろん久能山&日本平、三保海岸ともに、初詣&初日の出を眺める絶景ポイント。とくにこれからの空気が澄んだ季節は要チェックです!!



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2013年11月28日

静岡県富士市・岩本山公園からの富士山もあっぱれ!

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岩本山の茶畑越しから富士山を眺望


富士市の西端、富士川が平野部にまさに出ようとする場所に位置するのが、岩本山。標高は192.3mとさほどではないのですが、地理的には富士を眺めるために、神様が設けた天然の展望台といった場所にあります。

山頂一帯の13.2haは自然公園として整備され、園内3ヶ所に設置された展望台からは、富士山はもちろん、駿河湾から南アルプスまでの雄大なパノラマが!

また樹木園も整備され、山の東斜面には茶畑が広がっています。「富士山と梅」「富士山と桜」「富士山と茶畑」の撮影ポイントとしても有名で、なかでも紅白梅約390本が植えられた梅園で、ブンゴ、シラカガ、ジュウロウ、メオトコウバイなどの梅の香があたり一面に漂う時期には、大型駐車場が満車になるほどの人出。

逆に梅でも桜でも新緑のシーズンでもない今こそが、富士山ハンターにとっては狙い目かも知れませんw



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山梨からの富士山も素敵だが、「海道一の絶景」もすごいんです!

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「海道一の絶景」と称された薩埵峠(さったとうげ)からの富士山



富士山は山梨・富士五湖側からの眺めを紹介することが多いのですが、実は静岡からの富士の眺めも凄いんです。あ、ご存じですね(^_^; まぁ、世界遺産登録の際、逆転勝利に輝いた「三保松原」もありますし。

とはいえ、それらの名声に比べるといまひとつの知名度ながら、古くから編集長Sが大プッシュしていたのが、薩埵峠&富士川からの眺め。もちろん、江戸時代からの景勝地ではありますがw

富士川から見た富士山.jpg

富士川から見た富士山


でもこれ、すごくないですか? プロのカメラマンの手にかかると、ご覧の迫力なのであります。いやー、やっぱり素人の自分には撮れませんて、こんな写真。初めて見た時、思わずかっちょいー!と叫んでしまいました。

そもそも一発勝負で、こんなスコーンと晴れたシーンになかなか遭遇できるはずはないけれど、これから冬場は空気が乾燥するので、あっぱれな富士山が見られるかも!?

ちなみにこれから年末年始の帰省途中などで、お手軽に富士川と富士山を撮影するには、東名自動車道富士川SAがおすすめ。SAでは「日本一富士山が美しく見えるサービスエリア」と謳っており、初日の出も絶景とか。



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posted by シマウマ-クラブ at 09:34| 静岡のおすすめ

2013年01月06日

明けましておめでとうございます

謹賀新年.jpg



写真は、2013年1月1日、相良サンビーチ(静岡県牧之原市)の初日の出です。
サンビーチを中心に、広い範囲にたくさんの人たちが初日の出の見物に集まり、
毎年、温かい甘酒が振る舞われ、風の強くない年には相良高校ヨット部などが海へと漕ぎ出します。

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2枚目の写真は見物の様子。左奥は伊豆半島です。画面外のもっとずっと左手には富士山も見えています。

太陽が昇ると御清め用の塩が配られます。

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今年も各地に取材に出向きます。
どうぞよろしくお願い致します。

(シマウマ-クラブ取材班一同)

posted by シマウマ-クラブ at 22:40| 静岡のおすすめ

2012年09月21日

静岡県にもあった「塩の道」(2)園坂を登り牧之原台地へ

太平洋で産する相良の塩を、信州へと運んだ塩の道(秋葉街道)。
相良〜菊川〜掛川〜森〜春野〜龍山〜佐久間〜水窪〜兵越峠〜青崩峠〜和田〜木沢〜上村〜小川路峠〜越久保〜飯田八幡というルートです。
相良の町並みを抜け、案内板を探しながら最初の難関である園坂へ。道がわかりにくいので農業用のため池を最初の目的地にします。

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ため池を過ぎるといよいよ牧之原台地への登り、園坂です。
周囲に茶畑が広がり、振り返れば茶畑越しに相良の市街と太平洋も望めます。
牧之原台地が茶畑となったのは、明治維新で職を失った士族の失業対策で、茶畑を造成したことに始まります。
ですから明治以前は、この光景ではなかったはず。時代劇で茶畑越しの富士山なんてシーンを目にしますが、あれは実は現代的な光景だったのです。

06園坂.jpg

07園坂.jpg


茶畑や林間の道をを登りきって、さらに200mほど歩くと県道69号相良大須賀線と合流します。そこに観音堂と、塩の道モニュメントと、さらには古き標べ石があります。観音堂にはゴミ集積所が付いているので興ざめです。

08観音堂.jpg

09モニュメント.jpg


古き標べ石には、
正面、●●(この部分判読不可)_平川ニ至ル。
左側、相良ヲ経テ川崎ニ至ル。
右側、相良ヲ経テ地頭方ニ至ル。
と記されています。
この先、約1km茶畑の中の道を歩けば、京松原の交差点のところに秋葉堂が建っています。

10茶畑.jpg

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街道時代にはここが荷継場になっていて、伴次郎店(ばんじだな)という茶店がありました。
この先、塩の道は、菊川へと茶畑のなかを続きます。

今回は、ここでUターンし、県道69号相良大須賀線を戻ります。
『水曜どうでしょう』(北海道テレビ放送)の「東海道中膝栗毛」で大泉洋さんが「キレイだ!」と叫んだ絶景ポイントを歩いて帰りましょう。
12県道69号横の茶畑.jpg

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posted by シマウマ-クラブ at 19:18| 静岡のおすすめ

静岡県にもあった「塩の道」(1)塩の道の起点は相良町

「塩の道」というと、千国街道(糸魚川〜大町〜松本〜塩尻)、三州街道(矢作川の舟運〜豊田〜足助〜飯田〜塩尻)が有名。さらにもうひとつの塩の道が現在の静岡県牧之原市相良を起点とし、飯田で三州街道(中馬街道)と合流する、秋葉街道です。
江戸時代、秋葉山の信仰が盛んになるにつれ、参詣の道ともなりましたが、当初は相良周辺で産する塩を伊那谷や諏訪に運ぶ道だったのです。

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かつては塩田のあった相良海岸。戦時中は製塩に学徒動員が行なわれたほど盛んだったという

実は、このルート、中央構造線の谷を上手に利用して南北を結んでいるのです。信州・諏訪谷から遠州・水窪まで中央構造線沿いに南下し、そこから光明断層(遠山−赤石裂線)と並行に遠州・森へ至り、さらに相良まで達しています。
日本海からの塩を運んだ千国街道も中央構造線沿いですから、中央構造線は古代から海と内陸部を繋ぐ幹線ルートだったのでしょう。

その中間点が塩尻。まさに塩の道の尻(終点)だったわけです。
しかも藩政時代には塩尻に松本藩の塩留番所が置かれ、日本海産の塩は塩尻以北(北塩)、太平洋産(遠州・三河産)の塩は塩尻以南(南塩)でしか流通できなかったのです。

つまり、日本海(新潟県糸魚川市)−北・中央・南アルプス山麓−太平洋(静岡県牧之原市:旧相良町)をつなぐ350kmの塩の道は、北塩ルート120kmと南塩ルート230kmに分けられることになります。いずれにしろ、この道は、日本で最長最古の塩の道ルートになっています。
さて、そんな南塩ルート230kmの起点は、旧相良城下にあります。

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塩の道(秋葉街道)の起点は、牧之原市波津大原(相良市街の中心地=飯津佐和乃神社の御旅所)。南東にある相良史料館はかつて相良城の本丸があった場所です。起点といっても残念ながらモニュメントと新しい秋葉山常夜灯が設置されているにすぎません。道路も拡幅され、往時の面影は残されていません。

100mほど西に歩くと、小田宮神社(園村に郷川から農業用水を引いた郷土の義人・紅林次郎右衛門を祀る)のところに塩の道相良案内所があります。しかし中に入っても神社の由来のパンフが置いてあるだけで、何の案内もありません。

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posted by シマウマ-クラブ at 17:33| 静岡のおすすめ

2012年09月17日

牧之原市の『御船神事』と老中・田沼意次の関係とは!?

昨日(9月16日)、牧之原市の大江八幡宮で国指定無形民俗文化財『御船神事』が齋行されました。牧之原市の相良地区は、かつて相良藩の城下町。相良藩の藩主だった田沼意次は1772(安永元)年、老中に出世、その勢いで相良城を築いています。田沼意次にとって相良は出世の地。
そんな田沼時代(享保年間)に廻船問屋が航海の安全と商売繁盛を祈願して創始したと伝えられるのが大江八幡宮の『御船神事』。

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精巧にできた菱垣回船と樽回船の模型(御船)を操り、揃いの浴衣姿の「船若衆」が4人1組で御船を担ぎ、船首を持ち上げたり、船尾を持ち上げたりと波間にいきかう千石船の様を表現しながら氏子地域を練り歩きます。
藩主が老中となった田沼時代には、相良湊は、大坂と江戸を結ぶ回船の寄港地として拡充され、さらに相良湊と東海道藤枝宿とを結ぶ相良街道(田沼街道)も整備されています(この道を使って相良藩の塩が藤枝以北の内陸に運ばれてもいます)。田沼時代というとつい時代劇の「越後屋、おまえも悪よのう・・・」という贈収賄シーンを思い浮かべますが、株仲間の結成、蝦夷地の開発計画、下総国印旛沼の干拓着手、ロシア帝国との貿易など江戸時代の田中角栄といったパワーを発揮します。
当然、初代藩主となった相良藩でも重商主義的な政策を進めたでしょう、その名残がこの『御船神事』というわけなのです。

一見すると遠州の古社での素朴な祭りといった風情なのですが、その背後には、田沼時代の遠州の湊町の活気が息づいているのです。

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ちなみに同じ16日には、飯津佐和乃神社(はづさわのじんじゃ)で『御船神事』も齋行されています。こちらは旧相良城下の中心で、揃いの浴衣を身にまとった船若と呼ばれる青年たちが木遣り歌に併せて千石船(帆掛け船)の模型をかつぎ練り歩くというもの。神事に使われる船は、江戸時代の千石船、千五百石船の模型です。明治29年に大江八幡宮の『御船神事』(国指定無形民俗文化財)から独立して始まったもので、こちらは静岡県指定無形民俗文化財。
飯津佐和乃神社の本殿右の稲荷社は1595(文禄4)年、徳川家康が相良御殿(家康が鷹狩りのために建てた御殿)守護のために伏見から勧請したもの。田沼意次が相良藩主となった際には相良城本丸内に祀られていました。

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飯津佐和乃神社の『御船神事』(御渡り)



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posted by シマウマ-クラブ at 20:10| 静岡のおすすめ