2012年07月02日

古代の王国が栄えた群馬、七輿山古墳へ

東日本最大の前方後円墳は、群馬県太田市にある太田天神山古墳で、全長210m。5世紀中頃から後半に築造された古墳です。6世紀代の古墳としては東日本最大級なのが、群馬県藤岡市の七輿山古墳(ななこしやまこふん/下の写真)で全長は145m。

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なぜ群馬県に、大和朝廷との関係が類推できる巨大な前方後円墳が多いのでしょうか?

ヒントは、群馬という県名にあります。群馬は文字通り「馬が群れる」という意味。その名の通り、名馬の馬産地であったと推測されます。
上野国(古代群馬の国名)を支配した国造・上毛野国造(かみつけぬのくにのみやつこ)は、大和朝廷に対しても強い発言権を有していたと考えられています。
群馬には「牧」と呼ばれる官営の牧場も設置されていました(利刈牧・沼尾牧・拝志牧・久野牧・市代牧・大塩牧・塩山牧・有馬島牧)。たとえば群馬県安中市松井田町西野牧という牧の付く地名に千駄木岩陰遺跡があるのも偶然ではないでしょう。
藤岡から長野県佐久市にかけての広大なエリアは、古代の大牧場地帯であったとも考えられます。






一帯が甘楽郡と呼ばれるのも、古代には「甘良郡」として『渡来人が多く住んだことから、「から」が変化して「かんら」となったと考えられているのです。
多胡郡の「多胡」も、古代に当地に居住した数多い外国人(渡来人)の意。
和銅4年(711年)3月9日に多胡郡は設置されていますから、8世紀初頭にはすでに渡来人の里だったことがわかります。

一帯は、近世には養蚕・製糸業が盛んになり、富岡に富岡製糸工場(目下、世界遺産登録を目ざしています)も設立されていますが、養蚕・機織りなども渡来人がこの地に伝えた可能性すらささやかれています。

あらら、古墳が富岡製糸工場につながってしまいました。
いやあ、旅って本当に不思議ですねぇ。

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七輿山古墳の入口には、ビジターセンターとして「七輿の門」(上の写真)も設置されています。周辺には皇子塚古墳、伊勢塚古墳、白石稲荷山古墳などたくさんの古墳があります。

取材班の合い言葉は、「古墳でこーふん!」
単なる人工の小山ですが、調べると大きなドラマが眠っています。


タグ:古代
posted by シマウマ-クラブ at 10:10| 群馬のおすすめ

2012年06月20日

関東「好きな道の駅ベスト1」に輝くのは、道の駅ららん藤岡!

関東「道の駅」連絡会が毎年実施する「好きな道の駅ベスト30」で、2009年〜2011年まで3年連続で第1位に輝くのが、道の駅ららん藤岡 (群馬県藤岡市)です。例年の主な選定理由のなかに「施設内で販売されている肉類やお菓子が良い」というのがありますが、なんと道の駅ららん藤岡には「肉の駅」が併設されています。
株式会社群馬県食肉卸売市場が直営する肉の駅ららん店で、群馬県が誇るブランド「上州牛」「上州銘柄豚」やその加工品を直売しているのです。毎月、第2土曜日は特売日になっていて地元の人も牛肉・豚肉を買いにやってきます。

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人気の理由は一般道の他にも、上信越自動車道上り車線(長野→東京)から直接ピットインできるという点にもあるでしょう。
つまりは、ドライブの帰りに買い物や食事に気軽に立ち寄れるというわけなのです。






肉の駅のほかにも、農産物直売所、地元食材を使用したレストラン「ファミリーダイニングらん蘭」、観光物産館、多様なレストラン、藤岡市特産のシンビジウムをメインにしたアトリウムガーデンなどもありますから、上信越自動車道利用時や、富岡製糸工場(世界遺産登録に邁進中です)などに行った帰りにはぜひ一度立ち寄りをおすすめします。

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ちなみに6月23日(土)には道の駅「湧水の郷しおや」(栃木県塩谷郡塩谷町)がオープンします。

posted by シマウマ-クラブ at 21:59| 群馬のおすすめ

2012年06月19日

近代的酪農発祥の地、神津牧場

日本の近代的な酪農の起源は、徳川8代将軍・吉宗の時、南房総でインド産の白牛を放牧・繁殖、白牛酪(バター)を生産したことに始まります。日本で最初の「洋式牧場」といえば、群馬県甘楽郡下仁田町大字南野牧にある神津牧場。軽井沢の南、上信国境にそびえる急峻な山の山上に牧場が広がっています。群馬県側からは下仁田から、長野県側からは佐久から国道254号が牧場入り口まで通じていますが、内山峠越えの国道(旧道)は、1.5車線で九十九折りというまさに「旧酷道」。そんなドライブを楽しみつつ、神津牧場へ。

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ジャージ牛の放牧される神津牧場ですが、ほとんどの施設は見学が可能で、さらに体験学習やレストラン、売店なども用意されています。放牧場でジャージーとふれあい、牛の行列見学 (13:00すぎ)、牛の赤ちゃん見学、ヒツジ、ヤギ、ウサギのふれあい、バター作り体験、乳しぼりなどが楽しめます。

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レストランではハヤシライスや、牧場産ジャージ牛の角切りロースステーキ丼などが味わえるほか、チーズなどの乳製品も販売されています。
ちなみに取材した日は、ハヤシライスの特売日で、700円が500円とワンコインで味わえました。

軽井沢の行き帰りに寄り道するのもいいでしょう。

posted by シマウマ-クラブ at 09:46| 群馬のおすすめ