日差しを遮るためシャッターを開けるのはいつも半分
アイスまんじゅうは和菓子の饅頭を模したアイスキャンディーのこと。全国に似たものは結構あるのですが、どうやらそのルーツは三重県のようです。三重県鈴鹿市の中野製餅店(明治元年創業)のアイスまんじゅうは、昭和初期発売開始。2008年開催の第25回全国菓子大博覧会会長賞を受賞。
同じ三重県の桑名市にも実は寿恵広、新栄堂、マルマンなどなど何軒もの老舗アイスまんじゅうがあり、「桑名のソウルフードになっています」(桑名市ブランド推進課)。
戦後創業で、昔気質の手作り、しかも昔ながらの「固くて団子のようなかたち」をキープしてるのが旧東海道・石取会館前に店を構える「マルマン」です。
カチンカチンのアイスまんじゅうとアイスミルク
夏場は朝早くから、石取祭などの行事の時には5時に店を開け、1000本以上用意しても午前中、10時頃には売り切れてしまうというのが「マルマン」のアイスまんじゅう。橋本一實さん、満寿子さん夫婦がふたりでせっせと作っても、「30本、40本と買われるので、すぐなくなっちゃうんです」という爆発的な売れ行きで、「1本、2本なんてお客さんはまずいない」んだそうです。
橋本一實さん、満寿子さん夫婦
桑名市は旧東海道沿い、さらに桑名城下として商業の町としても発展。桑名に伝えられるお座敷歌に『桑名の殿様』「桑名の殿さん 時雨で茶々漬」とありますが、実はこの殿様とは桑名藩主のことではなく、明治から大正にかけて米相場で儲けた桑名の大旦那衆(お大尽)のこと。
つまり、「お金持ちの旦那衆が店員などにおみやげにとドカーンと大人買いしたのがアイスまんじゅう」だったというわけなのです。
その伝統と、美味しさで桑名市民は今もドカンと大人買いするというのが真相。
練乳たっぷりで美味しいコーヒー
マルマンはもとは食堂だったお店で、昔ながらの手作りにこだわっているのも特徴。
アイスまんじゅうには「大納言」を使っているので小粒の小豆とはひと味もふた味も違う美味しさです。
満寿子さんは「大納言をお竈さん(おくどさん)で炊いているのよ」と胸をはります。
お竈さん(おくどさん)とは京風の言葉で竈(かまど)のこと。薪をくべる竈は火力の調整が難しく焦げ付かせやすいという難点があるのですが、強い火力が得られ、ほっこりとした小豆が炊きあがるのです(昔気質の羊羹屋などでも竈を使っているのはそのためです)。
昔ながらのアイスキャンデー作り方を簡単に説明すると、32個分の型に材料を流し込み、まずは45分かけて凍らせ、その後、−28℃以下の冷凍庫に6時間以上保存して冷やし固めてカチンカチンに凍らせるーとまあ、手間暇がかかること。
「機械化などは一切していない」ので1日に製造できるアイスまんじゅう、アイスキャンデーの数に限りがあります。
「体力と気力の勝負なのでどんなにかんばっても1000本少々というところが限界」
というわけで、購入にあたっては普通の日でもなるべく早めの時間帯がおすすめ、祭りなど行事の日なら午前中、早い時間がいいでしょう。
ちなみに、竈(かまど)を「おくどさん」と呼んでいるのが、桑名は関西文化の影響が強い地域なのだと再認識しました。
「マルマン」で作られるアイスキャンデーの種類はアイスまんじゅう、ミルク、フルーツ、コーヒーの4種類。フルーツはミルクバーの中にみかん、パイン、バナナも入っています。
「バナナは黒い部分が使えないから一番効率が悪いの」と奥様は苦笑い。なんと生のバナナをトントントンと切って投入しているのです。
コーヒーは練乳を使っているのでほろ苦さとほのかな甘さで子供達にも人気だとか。
アイスまんじゅう140円、ミルク、フルーツ、コーヒーは各130円
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