三段峡とともに、広島県を代表する紅葉の名所が
帝釈峡。そのみごとな紅葉は、ヤマモミジ、ヤマザクラ、コナラ、アベマキ、メグスリノキなどの落葉広葉樹が多いから。アベマキ、メグスリノキ群落は、峡谷一帯が石灰岩地帯という地質に由来しています。
大正13年に完成した発電用のダム湖・
神龍湖から、上流の10kmを
上帝釈、下流の6kmを
下帝釈と呼びますが、峡谷が発達する下帝釈は、現在のところ安易に近づけない秘境地帯。
紅葉探勝は、湖から上流の上帝釈が対象です。
まずは
岩倉岩陰遺跡近くの帝釈第2駐車場に車を入れ、国の天然記念物・
雄橋(おんばし)へ。カルスト台地を削った深い峡谷の谷底は、昼なお暗いほどですが、遊歩道も整備。駐車場から徒歩5分ほどの
白雲洞(はくうんどう)は、石灰岩台地特有の鍾乳洞。奥行き200mで、洞内では鍾乳石、石筍、石炭紀のサンゴの化石などが観察できます。
ここから15分ほど歩くと、渓流の浸食で生まれた天然の洞門・雄橋。高さ40mの巨大な石灰岩の岩盤の下部が、長い年月をかけて貫通したもので、映画
『TAJOMARU』(たじょうまる)で、主演の小栗旬が馬で洞門を駆け抜けるシーンを撮影したロケ地でもあります。
帝釈峡にある天然の洞門、雄橋
また上帝釈の帝釈第1駐車場近くにある
永明寺(えいみょうじ)は、709(和銅2)年、行基開基という古刹。そこに帝釈天を祀ったのが地名の由来となっています。
さらに、ドライブで帝釈川ダムのダム湖である
神龍湖へ。周囲24km、全長8kmの人造湖では、
紅葉橋、神龍橋、桜橋と渡る散策プランが可能です。また紅葉橋を起点に、神龍湖めぐりの
帝釈峡遊覧船も運航。所要40分の遊覧船で巡れば、車窓からは観賞できない屹立する岩峰を、湖上から目にできるというわけです。
ここから車で10分のところには、
休暇村帝釈峡(雄橋探勝の起点である帝釈峡第2駐車場からは20分)もあり、現在秋のランチバイキングを実施中。神龍湖などをめぐるハイキングコースも設定されており、休暇村を起点として紅葉狩り、というのもおすすめです。
神龍湖・桜橋の紅葉
気になる紅葉の状況ですが、例年よりやや遅れ気味。10月30日(水曜)現在で、雄橋・白雲洞、神龍湖周辺の紅葉は、5分くらい。もちろん今後の天候にもよりますが、庄原市の話では、見頃は11月3日あたりを予想している、とのこと。
ちなみに2013年11月月3日(日曜)9:00〜15:00には、神石高原町の
帝釈峡スコラ高原にて、町の特産品を楽しみ、恒例行事のロング巻寿司などを作る「
ふれあい神石まつり」、11月4日(月曜・祝日)の10:00〜15:00には、帝釈峡第1駐車場近くの
帝釈自治振興センター(庄原市東城町未渡2021)で、鮎の塩焼きやいのしし肉の串焼きなど、地場の味覚を味わう「
帝釈もみじまつり」が行なわれますので、都合がつけば、あわせて立ち寄りを。
posted by シマウマ-クラブ at 16:29|
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